第13回 健康監理に鍼(はり)を活かそう
前回は一つの症状を治療する際の鍼のかかり方について書きましたが、今回は表題にもしめしたように、鍼は健康監理に活かせるんだということを皆様に広く知っていただきたくまとめてみました。
患者様が鍼を受けるきっかけは、寝違いやぎっくり腰のような急性症状か、長く続く痛みや痺れが病院に行っても治らないため、鍼にでも行ってみようかという感じのどちらかです。
前者は急性のため鍼をするとわりと良くなるのですが、後者は慢性のため1度で劇的に良くなることは少ないのが現状です。
そんな時に主訴(症状のうちの主要なもの)とは違う不快な症状が少し楽になってすっきり感が得られ喜ばれたという例が多々ありました。 これは鍼の効能の一つである調整作用が働いて、体の様々な不具合を正常化してくれたことによります。
このように慢性痛が取れなくても細かな症状が軽減することによって体は少し楽になり、それが精神的にも良い方向に行くというわけです。
具体例を上げると、眼の疲れが楽になったり浮腫みが軽くなったり胃腸の蠕動運動が活発になることによって食欲が増したり・便秘が改善したりもします。
以前睡眠についても書きましたが、鍼は反健康状態の体を健康な方向へ向かわせるというすばらしい作用があるのです。
しかしこの辺が鍼師のPR力の弱さからか、国民には急性症の治療のイメージが強いように思われます。
ちょっとした体の不調に鍼を受けると、思わぬところに効果が出るといった感覚をぜひ味わってみてください。そしてそれを知り合いに伝えていただけるとありがたいです。
最近はマッサージに押されぎみの鍼ですが、もっと良さを広めたいという思いから書いてきました。 次回はマッサージと鍼をどのように選択するかなど、私の治療院でやっていることでも書こうかと思っています。
暑さをやり過ごし涼しくなったらまた書きますので、お付き合いお願いしますね。